長女の事情
長女は、海外の航空会社の客室乗務員を勤めていました。
小さなころから憧れていた職業で希望通りの企業にも就職できました。就職して４年目にコロナ禍によって２ヶ月先まで仕事がキャンセルされました。状況が落ち着くまで当分の間、自宅待機となり実家へ戻ってきました。まだ世の中がコロナウイルスのことを何一つわかっていない当時のこと。先の見えない毎日です。あまりの暇さでパン屋さんでアルバイトをしながら状況の好転を待ちました。６ヶ月後、会社から戻って来るよう要請がありました。勇んで戻る途中、メールで解雇を通知されました。会社は退社の手続きをするために長女を呼び戻したのでした。幼い頃からの夢破れて・・・。心の折れた状態で再び日本に戻った長女。再就職の就活では客室乗務員のスキルを活かせるようなサービス業（ホテル、観光、外食他）も同じで、解雇はしても求人など望めない状況。新しい活路を見出すのは容易ではなく、長女にとって人生で初の混迷期の始まりでした。苦心の就活の末、再就職を果たすも２ヶ月で退社。
悩んだ結果、もとのパン屋さんでアルバイトをしながら、元の職種が求人を再開する時期を待つことを決意。同時にリモートで英語圏の人に日本語を教える仕事、その仕事から派生した翻訳の仕事も始めました。ようやく長女は腹を決めることができて前を向いて歩き始めました。この混迷期を支えたのは、無邪気なローちゃんでした。
